dgeghdeeのブログ

dgeghdee blog

そごそを再び始めた

わたしは4人ボックス席に一人で座っていたが、周りの席に誰もいないのをよいことに、カバンの中に入れていたモノを次から次へと取り出し、横の席に並べた。
取り出したモノの中にはスマホはない舒緩痛症
残りのがらんとしたカバンの中にもスマホはない。
どういうこと?どういうこと?


隣の4人乗りボックス席に中年のビジネスマン2人が乗り込み、仕事の話をし始めた。
だが、そのうちの1人は、わたしとは通路を挟んで斜め向かいに位置する。
こちらを向く格好。顔は明らかにわたしの方向。
探し物をしているわたしは、段々、人の目が気になり出した。
これは、人目がないところでもう一度、ゆっくり探したほうがよいと思った。


とりあえず、乗り換え駅で降りて、ホームの椅子に腰掛け、一人でまた一から、ごそごそごそごそを再び始めた銅鑼灣按摩
しかし、車内で一通り、一つ一つカバンから取り出して点検した後でもあり、やはりスマホがないことを確認するだけに終わった。


どういうこと?
なぜ?
なぜ無い?


夕方のホームの椅子でしばらくわたしは考え込んだ。


失くすとすると、あの地点、この地点、2箇所が有力になった。
行き先、立ち寄り先である。
1番疑わしい、乗車駅にポイントを定めた。
そこへ戻ろう。
そこへ向かう反対側のホームに移り、元の来た駅に向かって電車に乗り込んだ。
その車内のわたしの心境は、、、


無かったらどうしよう養生療程
あるはず。
あったらいいな。でも。
あった時の感激の自分と、期待して無かった時の消沈する自分が、お互いをなだめ合い、牽制し合っていた。
期待するな。
いや、でも。
無かったら次は、どうする? 次の地点か?
とりあえず、第一候補地に行かなければ、次はわからない。


不安に胸を押しつぶされそうになりながらも、若干の期待がちらちら。
この気持ちは希望とは少し違う、複雑なもの。
あの引き返す車内時間は、長かったのか短かったのか、時が進んでいたのか止まっていたのか。
癌再検査を受けた後の結果待ちをしているような、祈るような胸中。


電車を降り、重い足なのか、軽い足なのかわからないが(エスカレーターだったし)、ゆるゆるとホームから昇り、駅の有人窓口にスマホ忘れ物の有無を尋ねた。
失くした時刻とスマホの形状を聞かれた。
制服姿の若い小柄の女性職員が「少しお待ちください」と無機質対応。
「少し」にしては、長い。
ひょっとして無い?
長いのか短いのかわからない時間を経過して、恐る恐る目にしたのは、、、
ぷちぷち包装ビニールにふわっと包まれた、見覚えある、鈍い暗い色のわたしのスマホ。
事故現場から救い出された、肉親の身体が運ばれ寝かされているよう。
あらあ、、、!!